脳神経内科・治療
ボツリヌス療法
ボトックス注射による筋緊張・痙攣の治療
ボツリヌス療法とは
ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が産生する「ボツリヌストキシン(毒素)」を精製・製剤化した薬(ボトックス)を、筋肉や皮膚に注射する治療法です。過剰に緊張した筋肉の動きをやわらげ、痙攣・こわばり・不随意運動などの症状を改善します。
当院では脳神経内科専門医が、痙性斜頸・顔面神経麻痺後遺症・眼瞼痙攣などに対してボツリヌス療法を行っております。
対象となる疾患
01 顔面神経麻痺
がんめんしんけいまひ
顔の片側の筋肉がうまく動かなくなる病気です。ウイルス感染(単純ヘルペスウイルスなど)による顔面神経の炎症やむくみが主な原因と考えられています。片側の顔に症状が現れ、日常生活にも様々な影響を与えます。
02 痙性斜頸
けいせいしゃけい
首や肩の筋肉が不随意に収縮し、頭が一定の方向に引っ張られてしまう病気です。脳の基底核の異常な働きにより、首の筋肉(胸鎖乳突筋・僧帽筋・肩甲挙筋・板状筋など)が過剰に緊張・収縮すると考えられています。自分の意志では元の位置に戻すことが難しく、症状は持続または間欠的に強くなります。
03 眼瞼痙攣
がんけんけいれん
まぶた(眼瞼)のまわりの筋肉が、自分の意思とは関係なく不随意にけいれんし、目が開けにくくなる病気です。脳の神経の働きの異常により、まぶたの筋肉が不随意に収縮すると考えられています。目を開けようとすると顔や首の筋肉に力が入り、表情が不自然になることもあります。光・疲れ・ストレスで症状が悪化しやすく、見えにくさから日常生活に支障をきたします。
治療の流れ
診察・問診
症状の経過、これまでの治療歴などを確認します。注射部位や投与量を医師が決定します。
注射
細い針を使って対象の筋肉に注射します。所要時間は5〜15分程度です。麻酔は通常不要です。
経過観察
注射後2〜3日から効果が現れ始め、1〜2週間で最大効果に達します。効果は3〜4ヶ月持続します。
再投与
効果が薄れてきたら再度注射を行います。継続的な治療により、症状の安定を図ります。
ボツリヌス療法を受けられる方へ
治療を受けられない方
- 妊娠中・授乳中の方
- ボツリヌス毒素製剤に対してアレルギーのある方
- 注射部位に感染がある方
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)など神経筋接合部疾患のある方
事前に医師へご相談ください
- アミノグリコシド系抗菌薬など筋弛緩作用のある薬を服用中の方
- 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用中の方
- 他の医療機関でボツリヌス療法を受けている方
注射後の注意事項
注射当日の激しい運動・飲酒・サウナは避けてください。注射部位を強くこすらないでください。副作用として一時的なだるさや注射部位の内出血が起こることがあります。